
6月になりました。春らしい良い天気が続きましたが、まもなく梅雨を迎えます。
市内を車で走っていると、あちらこちらで解体工事が始まっています。
雪国・長岡では、春から解体工事を行い、お盆前後に新築住宅が完成する
という流れがよく見られます。
また、お盆明けに解体を行い、降雪前の完成を目指すケースも少なくありません。
雪の影響を受ける地域ならではの住宅建築スケジュールと言えるでしょう。

さて、相続の仕事をしていると、現在住まわれている建物が相続財産であることは
間違いないのに、登記簿を確認すると同じ場所に全く別の建物が
記載されていることがあります。
これは、以前の建物を解体した際に「建物滅失登記」を行わず、
そのまま建て替え工事を行った結果、新しい建物が未登記のままに
なっているケースです。
住宅ローンを利用して家を建てる場合は、金融機関が土地や建物に担保権を
設定するため、建物の表示登記や所有権保存登記がきちんと行われます。
しかし、自己資金だけで建築した場合は、登記手続きが後回しになり、
そのまま未登記になってしまうことがあります。
貯金だけで家を建てられるのは羨ましい限りですが、長岡周辺では代々土地を
所有している地主さんや農家の方も多く、このようなケースも大体地主さんなので
納得の話です。
建物登記が違うと相続で困ること
普段生活している中では、建物が未登記であっても特に困ることはありません。
固定資産税も課税されますし、郵便物も届きます。
電気やガス、水道の契約にも影響はありません。
ところが、相続が発生すると問題が表面化します。
例えば登記簿上には築50年の木造住宅が残っているのに、実際には20年前に
建て替えた住宅に住んでいるというケースです。
相続人からすれば「今住んでいる家を相続する」という認識ですが、法務局の
記録上は既に存在しない古い建物が相続財産として記録されていることになります。
不動産を売却しようとしても、まず登記の整理が必要になりますし、
相続登記を進める際にも余計な手続きや費用が発生することがあります。
また、将来的に金融機関から融資を受ける場合や、土地を有効活用する
場合にも支障となる可能性があります。
解体したら「滅失登記」が必要です

建物を解体した場合には、原則として1か月以内に建物滅失登記を
申請することになっています。
しかし実際には、放置されているケースが少なくありません。
実際に相続対象の不動産を確認する際に、何十年も前に解体した建物が
登記簿には建っているものして残っていることもあります。
昔は現在ほど手続きに対する意識も高くなかったのだろうと思います。
登記簿から抹消しないとその後の手続きの中で役所も見逃すこともあり、
無くなっている車庫の固定資産税を何十年も払っていたという事が
わかったこともありました。
今のうちに確認してみましょう。
相続は
「発生してから考えるもの」ではなく、
「発生する前に準備しておくもの」です。
特にご実家が建て替えを行っている場合や、何代にもわたって土地を
所有している場合は、一度登記簿を確認してみることをおすすめします。
登記簿上の建物と実際の建物が一致しているか。
解体した建物が残っていないか。
現在住んでいる建物がきちんと登記されているか。
これらを確認するだけでも、将来の相続手続きを大幅にスムーズに
することができます。
解体工事が増えるこの時期だからこそ、建物そのものだけでなく、その「登記」
についても気にかけていただきたいと思います。
「うちは大丈夫だろう」と思っていても、いざ調べてみると意外な発見が
あるかもしれません。
相続や売却の際に慌てないためにも、一度ご自身の不動産の登記状況を
確認してみてはいかがでしょうか。

